平成28年度町長施政方針

公開日 2016年02月25日

更新日 2016年05月30日

1 はじめに


 平成28年第2回雫石町議会定例会の開催にあたり、町政運営の基本方針につきまして、私の所信を申し述べさせていただきます。
 本町は昨年、新生「雫石町」が誕生してから60周年の節目を迎えました。これもひとえに新生「雫石町」発足以来、ご尽力を賜りました諸先輩、町議会、町民お一人おひとりの弛まざるご精進の賜物であり、改めて深甚なる敬意を表します。
 私は、町長就任以来、町民の皆様からの様々な声を大切にし、第二次雫石町総合計画に掲げる将来像を「みんなが主役 誇らしく心豊かなまち しずくいし」と定め、町民の皆様とともに、様々な取り組みを進めてまいりました。平成28年度は、第二次雫石町総合計画後期基本計画がスタートする年でもあり、さらなる飛躍をめざし未来へつながる年としたいと考えております。
 また、昨年は地方創生元年と位置づけられた一年でもあり、各自治体において「地方版総合戦略」の策定に取り組んだところであります。本町におきましても、昨年10月に「人口ビジョン」及び「総合戦略」を策定しております。これを踏まえ、本年は具体的な施策に取り組んでまいります。
 さて、本町を取り巻く状況ですが、平成25年8月9日に発生した大雨・洪水災害からの復旧につきましては、今年度をもちまして概ね復旧の完成を見ております。これもひとえに、災害復旧事業にあたり、国、岩手県、友好都市の静岡県富士市、近隣市町の絶大なるご支援、ご協力があってのことと、改めて深甚なる感謝と御礼を申し上げます。
 また、就任早々の平成23年3月11日に発生した東日本大震災から、まもなく丸5年が経過しようとしております。被災地の復興は未だ道半ばであり、被災された方々の不安な日々は現在も続いております。本町といたしましては、大雨・洪水災害からの復旧のため、職員の派遣を見送っておりましたが、復旧の完成を見たことから、今後は、1日も早い被災地の完全復興が実現し、地域住民に平穏で安定した生活が訪れることを強く念願し、要員派遣など可能な限りの支援をしたいと考えております。
 私は、町民の皆様からのご支援とご協力をいただきながら、二期目の町政運営を担い、早 1年4ヶ月が経ちます。私は町長に就任して以来、毎年継続して、町内各所を巡りながら、町民 一人ひとり 多くの提言やご心配の数々を聴かせていただき、期待の大きさと責任の重さを身にしみて感じております。
 これまで町民の皆様から寄せられた、ご意見、ご提言を真摯に受け止め、町政の進展と 町民の生活の安全・安定に誠心誠意努めてまいります。
 私は、本議会に提案させていただいている平成28年度から始まる総合計画後期基本計画と1昨年の町長選挙において提案させいただいた 三つの新構想「官学民連携プロジェクト」、「人口減少対策プロジェクト」、「4地区の地域別計画の策定」、さらには、国の政策である「地方創生」に呼応した、「雫石町人口ビジョン」、「雫石町総合戦略」をそれぞれ融合させて、全庁挙げて町民の皆様と協働による将来を見据えた町のまちづくりに積極的に取り組んでいきたいと考えております。
 そのためには、総合計画の推進のみならず、国の政策や多様化する住民ニーズなどを総合的に勘案し、効率的な組織機構の見直しについて適時実施する必要があると考えております。
 世界に目を転じますと、過激派組織であるISILがパリで同時多発テロを引き起こし、エジプトではロシア機が墜落、中東や北アフリカでもテロが相次ぎました。こうした事態を受け、内戦の続くシリアなどから欧州への難民の流入が増大し、EUでは難民の受入れ論争へと発展している状況であります。
 また、中国経済に対する懸念、下げ止まりを見せない原油価格、そして米国の利上げフェーズ入りなどにより、世界経済の先行き不透明感が広がっております。
 一方、我国における経済情勢は、安倍政権の経済政策である「アベノミクス」の取り組みにより、総じて緩やかな回復基調を維持していると言われておりますが、個人消費の弱さや海外経済の不透明感など、先行きの不安材料も見られるところであります。
 こうした中、昨年「アベノミクス」第2段として、これまでの経済政策を一層強化し経済の好循環を確立するため、新たに「希望を生み出す強い経済」、「夢をつむぐ子育て支援」、「安心につながる社会保障」を掲げ、「GDP600兆円」、「希望出生率1.8」、「介護離職ゼロ」を目指していくという政策が打ち出されており、これにより、誰もが活躍することができる一億総活躍社会を目指すこととしております。
 本町といたしましても、こうした政府の政策に呼応しながら、「雫石町まち・ひと・しごと創生総合戦略」に基づく、効果的な本町独自のまちづくりを目指してまいります。
 平成28年度の予算編成におきましては、少子高齢化の進展などによる社会保障関連経費の増加や大規模施設整備等のために財政需要がさらに増加するなど、財政課題が山積しております。
 このような厳しい状況下ではありますが、財政の安定確保と継続を重要方針と位置付けながら、住民福祉の向上を実現するため、平成28年度に掲げた重点事業を強力に推進し、さらに各種施策の確実な進展に、職員一丸となって積極果敢に取り組んでまいります。

 

2 町の基本的な施策の方向


(雫石町総合計画の推進)
 総合計画の推進につきましては、今年度、本町における課題の検証や施策の基本方向、成果指標及び目標達成のための「みんなの役割」を検討し、平成28年度から31年度までの後期基本計画の策定を進めてまいりました。
 平成28年度からの後期基本計画の実施においては、「雫石町まち・ひと・しごと創生総合戦略」や「雫石・御所・御明神・西山地区の地域づくり計画」とも整合をとりながら、マネジメントサイクルに沿った進行管理を行い、目指すべき町の将来像「みんなが主役 誇らしく 心豊かなまち しずくいし」の実現に向け、「環境を守り育てるまち」、「心豊かに暮らせるまち」、「健康でやすらぎあるまち」、「産業力を高め合い活力みなぎるまち」、「安全に安心して暮らせるまち」の5つの施策大綱に掲げる諸施策を着実に推進してまいります。

 以上のことから、次の7つの項目を平成28年度の重点事業としたところであり、その概要について申し上げます。

 

 第1は、「まち・ひと・しごと創生総合戦略推進事業」への取り組みであります。
 雫石町まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づく本町の人口減少対策を推進し、「みんながいきいきと活躍し、雫石に暮らす幸せを実感できるまちづくり」に取り組んでまいります。また、雫石・御所・御明神・西山地区の地域づくり計画に基づく住民主体の取り組みを支援し、行政区や団体の枠を超えた地域で支え合う力を強化するとともに、人口減少に負けないまちづくりを推進してまいります。
 さらには、新たな定住・移住対策を重点的に進め、町有地活用事業を推進し、その成果を町全体に波及させ、町の持続的な発展を目指します。

 

 第2は、「3R・新エネルギー推進事業」への取り組みであります。
 環境にやさしい循環型社会の実現に向け、廃棄物のリデュース、リユース、リサイクルいわゆる3Rを基本に、ごみの分別や適正処理、集団資源回収、家庭での生ごみ処理対策などにより、ごみの減量化と資源化を促進してまいります。
 また、新エネルギーにつきましては、平成25年度から27年度までの3年間で整備した役場庁舎をはじめとする6ヶ所の太陽光発電設備の活用を図るとともに、町民が導入する太陽光発電設備や薪ストーブに対する助成を引き続き実施するなど、新エネルギーの普及促進を図ってまいります。

 

 第3は、「学力を育む環境整備事業」への取り組みであります。
 未来を担う子どもたちの学力向上と教育環境の整備に取り組むため、小学校においては、学校規模の適正化へ向けた統合準備委員会を適時設置し、統合に向けた具体的な協議を進めてまいります。
 雫石中学校においては、国のスーパーエコスクール実証事業に取組み、町産材の活用、武道館の整備など創造性を育む豊かな教育環境の整備を進めてまいります。
 また、「教育振興運動」の取組みによる町ぐるみの子育て環境づくりを推進し、さらには、「雫石町教育研究所」を設置し、学校教育、社会教育等の専門的な調査研究、教育相談、研究機能を充実させてまいります。

 

 第4は、「高齢者福祉・子育て支援強化事業」への取り組みであります。
 本町における高齢化社会を見据え、第2次雫石町保健福祉計画に基づき、各施策を着実に進めるとともに、「高齢者福祉」を柱とした保健・医療・福祉の連携体制を確立し、認知症対策、在宅生活及び地域包括ケアシステムの推進により、高齢者が安心して元気で暮らせるための環境を整えてまいります。
 また、町民健康台帳や国保データベースシステムによる分析を進めるとともに、お互いさま情報交換会を通じ、地区ごとの高齢者の見守り状況、健康状態及び健康課題を把握しながら町民の健康増進に努めてまいります。
 子ども・子育て支援につきましては、町立保育所の保育士を増員し、民間保育園との連携・協力により待機児童の解消に努め、子育て世帯の経済的負担軽減、多子世帯への支援強化を進めるとともに、保育支援体制の充実及び母子保健事業を推進し、不妊治療の相談及び不妊治療費助成、医療費助成事業に取り組み、安心して子供を産み育てる環境づくりを進めてまいります。

 

 第5は、「地域産業戦略強化事業」への取り組みであります。
 本町の基幹産業である農業につきましては、これまでの懸念事項であったTPP協定が、昨年大筋合意に至り、今月には参加12か国による署名式も行われました。また、2月1日に公表された2015年農林業センサスの概数値では、家族経営体数が減少し耕地面積5ha以上の農業経営体や組織経営体の数が増加し、大規模化や農地集積、組織化が進展しています。また、農業就業人口の減少に加え、平均年齢は全国で66.3歳で、65歳以上の農家が占める割合も
63.5%と高齢化が進んでいる結果となっております。
 平成27年4月の国の食料・農業・農村基本計画では、人口減少社会に向けての取組と地域の活性化のための指針が示されておりますが、本町でも昨年10月に策定した「雫石町まち・ひと・しごと創生総合戦略」において、農林業分野での人材の確保・育成と定着を図ることとしております。
 特に次世代を担う若手農業後継者や意欲のある経営体の育成などによる農畜産物の生産体制の強化・充実に取り組むとともに、6次産業化を含めた農畜産物の流通・販売、そして消費までを見据えた農畜産物の生産振興と体質強化を推進してまいります。
 林業分野においては、公有林の森林資源活用と循環を計画的に推進するため、森林経営計画の策定に鋭意取り組んでまいります。
 観光につきましては、観光施設と連携し、特に宿泊数の増加につながる滞在型観光を強化するとともに、県内外への観光資源のPRに加え、海外への情報発信を強化し、雫石町の認知度向上による国内外からの誘客促進に取り組んでまいります。
 商工業につきましては、空き店舗を改装し営業を開始する事業者に対する助成制度を設け、商業の振興と魅力あるまちづくりを推進するとともに、元祖しずくいし軽トラック市など中心市街地活性化事業を引き続き支援し、商店街の賑わい創出に取り組んでまいります。

 

 第6は、「防災・防犯体制強化事業」への取り組みであります。
 防災につきましては、自主防災組織による災害時活動マニュアルの作成や自主防災訓練の実施支援を通じた自主防災活動の促進と、総合防災訓練の実施により災害対応力の強化を図ってまいります。
 防犯交通につきましては、第10次交通安全計画の策定に取り組むとともに、防犯交通安全協会等との連携による防犯交通安全啓発活動により、犯罪事故抑止と防犯交通安全対策の推進に努めてまいります。

 

 第7は、「国民体育大会事業」への取り組みであります。
 本年は、希望郷いわて国体の開催年であり、スキー・スケート競技等の冬季大会が終了したところであります。当町においては、10月にアーチェリー競技、3B体操が行われます。雫石町実行委員会及び関係機関と連携して、「広げよう感動。伝えよう感謝。」のスローガンのもと、全国の選手・関係者の皆様、応援のために来町される皆様を、町を挙げて歓迎し、大会を成功裡に終われるようしっかり取り組んでまいります。

 

3 平成28年度予算編成

 次に、平成28年度の予算編成について申し上げます。
 平成28年度の本町の財政見通しについてですが、歳入面では、自主財源の根幹である町税収入において、景気低迷からの復調が見られ、企業の設備投資による償却資産の増加により、固定資産税は増収が見込まれます。一方、個人町民税は未だに所得の伸びが見られず減額となる見込みであり、町税全体では平成27年度予算と比較すると約1千万円、0.5パーセントの減と見込まれます。
 また、依存財源の約40パーセントを占める地方交付税については、国において普通交付税にまち・ひと・しごと創生事業費など重点課題対応分が創設されたことから、総額については前年度とほぼ同額が確保されるものの、本町においては震災復興に係る特別交付税の減に伴い減額となる見込みであります。
 歳出面では、平成25年の大雨・洪水災害への対応のため、災害復旧費の財源として発行した町債等の償還により、町債償還額が平成27年度より1億2千万円程度増加し、又高齢化社会に対応するための社会保障給付費の増加が見込まれます。
 雫石町まち・ひと・しごと創生総合戦略における人口減少対策など、地方創生への取り組みを進めていくための財政需要への対応も必要となります。
 このようなことから、平成28年度の予算編成については、これまでの取組内容や実績評価を検証し、各事業を効率的・効果的に実施できるよう鋭意取り組んだものであります。
 平成28年度予算のうち、一般会計は90億7千万円で、前年対比2億1千5百万円、2.4パーセントの増額となっております。その大きな要因は、スーパーエコスクール改修等にかかる工事費、まち・ひと・しごと創生総合戦略に基づいて実施する事業への予算措置などによるものであります。
 特別会計及び企業会計の総額は、67億2千5百万円で、前年対比5千4百万円、0.8パーセントの増額となっており、全会計の予算総額は、157億9千5百万円で、前年対比2億6千9百万円、1.7パーセントの増額となっております。
 以下、平成28年度予算の主要施策の概要について申し上げます。

 

4 平成28年度の主要施策の概要

 第1に、「総務全般」に係る施策についてであります。

(行財政運営の推進)
 はじめに、行政改革及び財政運営の推進についてですが、平成28年度は、新基準による財務書類の試作を経て、平成28年度決算からの統一基準による財務書類作成を目指すとともに、公共施設等総合管理計画の策定に取り組み、財政マネジメントの強化を進めます。
 また、現行の行政改革大綱及び実施計画については、計画期間を1年延長し「信頼で築く住民主役のまちづくりの推進」をテーマとした取組を進め、新たな「行政改革大綱及び実施計画」を策定し、不断の行財政改革に取り組んでまいります。

 

(まち・ひと・しごと創生総合戦略の推進)
 次に、まち・ひと・しごと創生総合戦略の推進についてですが、日本全体で人口減少・少子高齢社会が進行する中にあって、本町においても人口減少は避けることができない状況で、平成26年11月に公布・施行された「まち・ひと・しごと創生法」に基づき、人口の将来展望を示す「雫石町まち・ひと・しごと創生人口ビジョン」と、その実行計画となる「雫石町まち・ひと・しごと創生総合戦略」を策定しました。
 これを踏まえ、人口減少の速度を可能な限りゆるやかにするため、人口ビジョンの目標である 2040年の将来目標人口 15,700人に向け、「社会増減±0人」と「岩手県平均以上の合計特殊出生率」を目指し、総合戦略に定める「いきいきと仕事のできるまちづくり」、「誰もが住みやすいまちづくり」、「安心して結婚・出産・子育てができるまちづくり」、「特色ある地域づくりとみんなで支え合うまちづくり」の4つの基本目標に基づいた施策に取り組み、「みんながいきいきと活躍し、雫石に暮らす幸せを実感できるまちづくり」に挑戦してまいります。

 

(町税収入確保対策)
 次に、町税収入確保対策についてですが、軽自動車税については税率引き上げによる増を見込んでおります。町民税については企業業績の回復や景気の緩やかな回復基調が継続しているものの、中小企業及び個人事業者の所得の増加には至っていない状況であり、又法人町民税の税率引き下げの影響も大きく、減収が見込まれています。
 固定資産税においては、償却資産分に増収が見込まれるものの、地価の下落による土地等の減収が大きく、又国保税においても加入者の減少等による減収が見込まれ、町税を取り巻く環境は、厳しい状況が続いております。
 こうした状況の中、平成28年度の税収確保対策としては、一層の口座振替の推奨、納期内納付の呼びかけを行うとともに、納期が経過したものについては早期からの文書催告を実施し、未納を極力抑えるよう、引き続き収入の確保に取り組みます。
 さらに、滞納者に対しては、岩手県地方税特別滞納整理機構と連携した滞納整理強化の取組を継続し、早期の財産調査、毅然とした滞納処分を行うとともに、執行停止や不納欠損については、十分な調査を行ったうえで厳正に行い、滞納額の縮減に取り組んでまいります。

 

 第2に、「民生全般」に係る施策についてであります。
(地域福祉計画)
 はじめに、地域福祉についてですが、平成27年度に策定した「第2次雫石町保健福祉計画」に掲げる各施策を、総合的・一体的に推進し、計画の達成に向け、各施策の進捗状況の把握、評価・検証を行ってまいります。
 地域住民の身近な相談役として活動されている民生連絡員・児童連絡員につきましては、改選の年であり、その活動に支障がないよう、次期連絡員の選任についてしっかりと準備を進めてまいります。
 また、心配ごと相談や消費生活・人権相談など各種相談については、専門相談を行う総合相談所開設の回数を増やすなど、住民の多岐にわたる悩み事が早期解決に結び付くよう関係機関と連携して相談体制を充実させてまいります。

 

(障がい者福祉)
 次に、障がい者福祉についてですが、平成27年度新たに策定した雫石町障害者計画及び雫石町障害福祉計画に基づき、サービス基盤の整備に努めるとともに、町が事業主体となって実施している無料支援事業の日常生活用具の給付や日中一時支援事業など地域生活支援事業について、さらにきめ細かい適切なサービスを提供してまいります。
 また、障がい者宅への訪問活動や個別の相談支援などについて、専門的な知識を有する相談支援専門員を継続して配置するなど、各種施策の充実を図り、障害福祉サービスが適正に利用され、障害をお持ちの方々が地域の中で安心して生活できるよう取り組んでまいります。
 
(高齢者福祉)
 次に、高齢者福祉についてですが、高齢者の生きがい対策については、高齢化社会を迎え、高齢者福祉の施策、支援の充実・強化は必要不可欠であり、高齢者がこれまで培ってきた知識、経験などを生かしながら組織や地域活動を通じて、いつまでも健康でいきいきと生活できるよう、老人クラブ、シルバー人材センターなどの組織運営が円滑かつ活発に行われるよう支援してまいります。
 また、日常の買い物に不便を感じている高齢者が、それぞれの地域で買い物ができ、併せて地域の見守り活動として機能する事業の検証を行い、さらなる充実を図ってまいります。
 認知症対策については、地域包括支援センターに相談窓口を設置し、認知症に関する相談に対応するとともに、「認知症町民セミナー」や「認知症の方を支えるまちづくり連絡会」を開催し、認知症への理解と知識を普及し、地域で認知症を支える体制づくりを進めていきます。
 また、平成27年度から開始した岩手県のモデル事業である「シルバーリハビリ体操指導者養成事業」に継続して取り組み、元気な高齢者が講師として活動する住民参加型の介護予防活動を支援してまいります。
地域包括ケアシステムについては、保健・医療・福祉の連携を強固にするとともに、自治会や行政区単位に継続して開催する「お互いさま情報交換会」を通じて、地域全体で高齢者を支えていく地域づくりに努めてまいります。

 

(介護保険)
 次に、介護保険についてですが、高齢化の進展に伴い介護給付費の増加が見込まれたことから、平成27年度からの第6期介護保険事業計画期間においては、65歳以上の方々へ応分の保険料負担をお願いし事業を開始しております。平成28年度は計画期間の中間年であり、引き続き適正な介護サービスの提供に努めるとともに、介護保険財政の健全運営に取り組んでまいります。
 また、平成30年度から始まる第7期介護保険事業計画の策定に向け、地域包括ケアシステムの充実を含め関係課との協議・調整を進めてまいります。

 

(後期高齢者医療制度)
 次に、後期高齢者医療制度についてですが、社会保障改革プログラム法に基づき、制度の改革協議が引き続き進められてきており、今後も、国の動向を十分注視しながら、被保険者の皆さまが安心して適切な医療を受けられよう、岩手県後期高齢者医療広域連合と連携し、制度の円滑、適正な運営に努めてまいります。
 なお、岩手県後期高齢者医療広域連合による2か年の財政見通しでは、約23億円の財源不足が見込まれておりますが、前年度剰余金などを活用し、現在の保険料に据え置くこととなりましたので、被保険者への十分な周知を図り、円滑な運営に努めてまいります。

 

(児童福祉)
 児童福祉につきましては、平成27年度より施行された「子ども・子育て支援事業計画」に基づき、待機児童の解消や多様化する子育てニーズにきめ細やかに対応してまいります。
 平成27年度において保育料の減額改定を行いましたが、さらにこれに加え平成28年度においては学童保育の保育料について、町県民税非課税世帯を対象として減額改定するなど、子育て世帯の経済的負担の軽減を図ってまいります。また、第3子以降の子供を出産された方への出産祝い金制度を拡充し、多子世帯の支援強化を図り、安心して子どもを産み育てることができるよう取り組んでまいります。
 また、子育ての悩みや児童虐待防止対策として、児童相談窓口の周知のほか、関係機関・団体、関係者との連携により子どもを見守る体制を構築してまいります。

 

(生活交通)
 次に、生活交通についてですが、「あねっこバス」は、運行開始以来、町民の日常の足として定着し、その役割はますます重要になってきております。今後も、利用者の意向を把握しながら工夫改善に努め、利用促進を図り、安定運行の確保はもとより、地域の実情に即した持続的な生活交通の維持に努めてまいります。
 また、平成28年4月より運行区域を拡大し、路線数を現行の6路線から8路線に増やし、利用方法の周知を図りながら、利用の拡大に努めてまいります。

 

 第3に、「保健衛生全般」に係る施策についてであります。
(健康推進)
 はじめに、健康推進施策についてですが、健康診断受診率の向上、出張診療所を活用しての健康相談、健康教室の実施、かかりつけ医と連携した生活習慣の改善指導を引き続き実施するとともに、「第2次さわやか健康しずくいし21・食育推進計画」に基づき「町民健康台帳」及び「国保データベースシステム」を活用し、地域全体で町民の健康生活を支える取組を進めてまいります。
 母子保健事業につきましては、少子化対策支援として、不妊症に悩む夫婦の相談や不妊治療費の助成支援の拡大に取り組み、安心して産み育てられる環境体制の整備に努めてまいります。
 予防接種事業につきましては、定期予防接種について周知するとともに、任意予防接種として小中学生まで拡大した季節型インフルエンザ予防接種の助成を継続実施し、感染症予防と重症化予防に努めます。
 また、各種がん検診においては、日程、検診会場の工夫により受診しやすい環境を整備し、受診率の向上に努めてまいります。
 自殺の予防対策としては、自殺予防町民フォーラムと小中高生への「命の授業」並びに悩んでいる人に寄り添う「ゲートキーパー」の養成講座及びフォローアップ研修を継続実施してまいります。
 さらに、個別相談や訪問活動の取組強化、傾聴ボランティアへの支援や地域と連携した「健康づくり講座」を通じて、心の健康づくりへの意識の高揚を図ってまいります。

 

(雫石診療所)
 次に、雫石診療所についてですが、保健・医療・福祉の連携した医療サービスを提供するとともに、地域包括ケアシステムを推進するため、訪問診療と訪問看護ステーションとの円滑な連携を図ってまいります。
 さらに、土曜診療、西山・御明神出張診療所での診療を継続するとともに、併せて健康教室と組み合わせながら町民の健康増進に取り組み、地域の医療関係者と連携した体制を堅持するとともに、経営改善と収益の確保による効率的な診療所経営に努め、町民のかかりつけ医として、町立の診療所の使命を果たしてまいります。

 

(国民健康保険)
 次に、国民健康保険についてですが、高齢化の進展や医療技術の高度化による医療費の増加に加え、課税所得の減少などにより、独自の財源で運営することが難しく、不足する財源を一般会計に依存する厳しい財政運営となっております。
 また、医療保険制度改革により、平成30年度からは、都道府県が財政運営の責任主体と国保運営の中心的な役割を担うこととなり市町村ごとの医療費水準と所得水準を反映した国保事業費納付金が課せられる見込みとなっております。本年1月には、納付金及び標準保険料率の算定方法について、ガイドライン(案)が国から示されており、今後、試算に必要なデータを県に提供し、具体的な協議に入ることになっております。
 なお、財源補てんのための繰入については、制度改革に関わらず段階的、計画的に解消することが求められており、国の財政支援の拡充も踏まえ、保険税率の適正な設定について検討してまいります。
 また、特定健康診査・特定保健指導の効果的な実施を目指し、保健・医療・福祉が連携して取り組み、被保険者の健康増進と医療費削減に努めてまいります。

 

(環境対策)
 次に、環境対策についてですが、地球温暖化防止対策につきましては、地球温暖化対策第Ⅳ期実行計画に基づき、役場庁舎をはじめとする公共施設における節電対策に取り組んでまいります。
 新エネルギーの推進につきましては、二酸化炭素排出量削減のため町民が導入する住宅用の薪ストーブ、太陽光発電設備などの導入経費に対して引き続き支援し、新エネルギー機器の導入を普及促進してまいります。
 また、省エネルギー対策として、雫石駅南イベント交通広場の街路灯をLED照明に整備いたします。

 

(廃棄物対策)
 次に、廃棄物対策についてですが、滝沢市との一部事務組合であります「滝沢・雫石環境組合」により安定的かつ適正に共同処理を行ってまいります。また、不法投棄につきましては、巡回パトロールによる監視を実施するとともに、関係機関と連携しながら不法投棄の撲滅に努めてまいります。

 

(ごみの減量化・資源化)
 次に、ごみの減量化・資源化についてですが、ごみの排出量は平成25年度以降、減少傾向にありますが、更にごみの減量化と資源化を促進するため、3Rへの取組を基本に、地域における集団資源回収の取り組みへの支援や古着の拠点回収などを継続するとともに、生ごみ処理容器及び生ごみ処理機の購入費に対する支援を行ってまいります。

 

 第4に、「農林業全般」に係る施策についてであります。
(農業振興)
 はじめに、農業振興についてですが、岩手県産米新品種「銀河のしずく」は本町を含めた約100haでの生産販売が平成28年から行われることから、今後の「銀河のしずく」の主産地として生産者をはじめ県やJA新岩手と連携しながら、安定した生産につながるよう支援をしてまいります。
 また、地域農業のマスタープランとされる「人・農地プラン」の定期的見直しを行いながら、農地集積を円滑に行えるよう農地中間管理事業の活用を促進し、プランに位置づけられた中心となる経営体への農地集積を促進するとともに、認定農業者で組織する農業経営者協議会、JA新岩手各生産部会、農業生産法人や集落営農組織との連携と支援による農業経営体の体質強化を促進し、中長期的視点から本町の農業振興対策を講ずるため、先進事例の調査研究なども併せて実施してまいります。

 

(畜産振興)
 次に、畜産振興についてですが、まず、肉用牛振興対策については、生産と消費の両面を支援する形で平成26年度から平成28年度の3年計画で事業を実施しております。生産頭数確保対策として肥育素牛導入価格の高騰から支援内容を切り替えて対応しており、平成28年度も継続実施してまいります。また、3年目となる雫石牛フェアは、新たに宿泊施設なども含めた開催による雫石牛のPRと消費拡大に取り組み、生産から流通消費まで一貫した取り組を推進します。
 乳用牛振興対策については、町内の若手酪農家らによる乳質向上や乳量増加にもつながる乳用牛の改良事業への意欲的取り組みをJA新岩手と連携しながら支援してまいります。
 
(農村環境基盤整備)
 農村環境整備についてですが、多面的機能支払制度への取組は平成27年度の新規を含め町内全体で35地域となりました。平成28年度も取組を促進し、農業用施設の維持・保全に向けて取り組んでまいります。
 大村地区の県営中山間地域総合整備事業は、平成27年度においては浄水場や配水池施設の建設に着手されており、平成28年度は営農飲雑用水施設の完成と管路敷設工事などが計画されていることから、町といたしましても、県営工事に合わせて町による給水管敷設工事を実施し、早期完成につなげてまいります。

 

(林業振興)
 次に、林業振興についてですが、公有林の森林管理の充実を図るため、平成
27年度に引き続き林業対策専門員を配置し、森林経営計画の策定に向けた取組を進めるほか、民有林については、民有林整備促進事業を継続実施し、伐採後の再造林と保育作業を支援しながら、森林所有者による森林資源の活用と循環を促進してまいります。
 また、町産材の活用と森林資源の大切さ、森を育てる意識の醸成を図るため、町産材利用促進事業を継続して実施し、教育委員会と連携した雫石中学校の改修事業への町産材利用促進、さらには、町産材を使用した木工品を出生した赤ちゃんに贈り家庭で木に親しむ木育事業にも取り組み、又町民参加により七ツ森森林公園を活用したワークショップを開催し、ツツジの植栽や木製ベンチ作りなどを実施してまいります。
 松くい虫被害対策としては、被害木が町内で平成25年と平成27年に確認され、県内の被害地域も確実に北上していることから、監視活動と被害木及び疑いのある木の伐倒燻蒸を実施するほか、七ツ森町有林内の約半数の区域がアカマツ林であることから、町内への被害蔓延を未然に防止するため、平成28年度から樹種転換に取り組み、健全な森林の育成を図ってまいります。

 

 第5に、「観光商工全般」に係る施策についてであります。
(観光振興)
 はじめに、観光振興については、平成27年の観光客入込数は速報値で208万人回となり、平成26年の205万人回を3万人ほど上回っているものの、夏の天候不順や12月の記録的な少雪により、宿泊者数は前年比2万人以上下回り、減少傾向にあり、非常に厳しい状況にあります。
 平成28年度は「希望郷いわて国体」の本大会と「希望郷いわて大会」が開催されることから、予想される岩手県への多数の選手や関係者等の来訪者を雫石町に誘客するため、しずくいし観光協会が実施する観光ワンコインタクシー、レンタサイクル等の観光二次交通の充実を図り、さらに観光協会のホームページ刷新による情報発信強化を支援し、又県内外に雫石町をPRする「広告プロモーション展開事業」と首都圏の旅行会社を対象に雫石町の観光資源を発信する「首都圏観光商談会開催事業」を実施し、雫石町への誘客を促進します。
 また、昨年1,973万人を記録し、今後も増加が予想される訪日外国人観光客の誘客促進のため、平成29年度を目標に岩手県が整備を進めている花巻空港と台湾の定期便就航の取組と連携した台湾へのPRと外国人向けの多言語ホームページによる海外への情報発信に引き続き取り組むとともに、昨年雫石町を訪れていただいたタイ旅行業協会のアネーク最高顧問とスパラック会長との関係を強化し、盛岡広域振興局とも連携しながらタイ国際旅行フェアに出展し、雫石町の知名度向上を図り、外国人観光客のさらなる誘客を促進します。
 また、スポーツ合宿等の滞在型観光を推進するため、盛岡広域8市町の連携中枢都市圏ビジョンで設置が予定されている(仮称)盛岡広域スポーツツーリズム推進協議会との連携を強力に進め、誘致活動を積極的に展開するとともに、平成28年度を計画始期として策定する第2次雫石町観光交流活性化行動計画に基づき、観光関連組織や民間事業者と連携し観光推進組織の設置を進め、戦略的事業を着実に展開してまいります。

 

(商工業振興)
 次に、商工業振興のうち、中心市街地活性化については、商業の振興と魅力あるまちづくりを推進するため、空き店舗を改装し営業を開始する事業主に対し、家賃や改装工事費の一部を助成する「空き店舗活用事業」を展開し、意欲ある起業者を支援します。また、平成25年度に開催した「よしゃれ通りまちづくりワークショップ」で提案された商店街の活性化策や県道整備のあり方について、地域の住民組織や商店等と具体的に協議するとともに、盛岡広域振興局や関係企業・団体に働きかけながら、その実現に向け取り組んでまいります。
 また、商店街に賑わいを創出するイベント「元祖しずくいし軽トラック市」の開催を引き続き支援するとともに、宮崎県川南町で開催される第3回全国軽トラ市に参加するなど情報交換を行い、工夫改善につなげてまいります。
 物産振興対策については、新たな商品の開発と販路拡大が引き続き重要であり、物産展への出展助成事業を継続して実施し、商工業事業者の自立を支援してまいります。
 町内商店振興対策については、雫石町サービス店会が設立20周年を記念して展開する共通買物券発行事業を支援し、町内の消費喚起と小売業者の活性化を図ってまいります。
 中小企業経営者支援については、制度資金借入に対する利子補給や保証料補給を継続し、支援してまいります。
 企業誘致については、盛岡広域8市町で組織する盛岡広域地域産業活性化協議会や在京盛岡広域産業人会と引き続き連携し、誘致推進に努めてまいります。

 

(雇用対策)
 次に、雇用対策についてですが、人口減少対策としても重要な雇用環境の充実を図るため、新卒者の地元定着と若者のU・I・Jターンを奨励する「若者雇用拡大奨励事業」を実施し、町内企業の人材確保を支援しながら若者の雇用創出の拡大を図るほか、就職や仕事に役立つ資格の取得費用を助成する「資格等取得支援助成事業」に取り組み、求職者の雇用促進と正規雇用への転換など安定雇用確保につながるよう支援してまいります。
 また、新規就業者の早期離職を防止し就業定着を図るため、新社会人フォローアップセミナーを継続し、町内企業の人材の育成支援を図ります。

 

 第6に、「土木全般」に係る施策についてであります。
(道路網の整備)
 はじめに、道路網整備についてですが、生活関連道路については、必要性、利用度、緊急度等を勘案し、優先度の高い順に整備個所を選定して、計画的に改良工事や舗装工事を実施してまいります。また、道路の管理につきましては、安全な通行の確保を最優先に補修工事や冬期の除雪を実施し、適正な維持管理に努めてまいります。
 橋梁の整備・補修については、国の防災・安全交付金を活用し、劣化の進んでいる橋梁について順次修繕を行い橋梁の保全に努めてまいります。平成28年度は、昇瀬橋・鴬宿橋の用地測量を実施し地権者との用地交渉を行い工事着手に向けて事業を進め、橋梁補修についても、昨年度に引き続き順次実施してまいります。

 

(治水砂防)
 治水砂防については、近年の豪雨や岩手山・秋田駒ケ岳の火山活動に伴い、土砂災害や火山活動による災害が懸念されており、土石流対策、火山災害対策が重要であります。
 現在、国の直轄事業において、岩手山並びに秋田駒ケ岳の火山災害対策が計画的に進められております。
 岩手山火山災害対策として、本町関係では長山地区に4基の砂防施設が完成しており、秋田駒ケ岳火山災害対策としては、既設の施設改良を含め橋場・国見地区を中心に砂防施設の整備が計画され、平成26年度以降から4基の砂防堰堤の整備が実施されております。
 今後も、国に対して現在着手している砂防施設の早期完成を含め土砂災害対策を推進されるよう、八幡平山系に係る直轄砂防事業促進期成同盟会との要望活動を継続してまいります。

 

(上水道の整備)
 水道事業につきましては、基本である安全、安心、安定、持続を柱に、水需用の動向を踏まえた長期展望に立ち、効果的かつ効率的な施設の整備を進めてまいります。
 中央浄水場改修事業につきましては、平成27年度に引き続き導配給水管布設、電気計装、旧管理棟の一部不用施設の解体撤去を実施したうえ場内整備を進めてまいります。
 また、配水管等の整備工事や配水施設等の維持管理に努め、漏水調査を引続き実施し、有収率の向上と経費節減に努めます。
 簡易水道事業と飲料水供給施設については、経営の効率化・健全化を促進するため、平成29年度の水道事業との一部統合に向け、今年度は鴬宿及び橋場地区簡易水道、桑原及び小赤沢飲料水供給施設との連絡管布設工事を実施します。

 

(下水道の整備)
 次に、汚水処理事業につきましては、快適な生活環境の整備、公共水域の水質汚濁防止のため、公共下水道事業において、引き続き片子沢地区で整備を進めるほか、農業集落排水事業、浄化槽設置整備事業の適正な整備促進及び維持管理に努めてまいります。
 また、下水道事業会計につきましては、公営企業会計財務諸表を基に安定した事業経営に努めてまいります。
 浄化槽補助金交付事業につきましては、浄化槽設置に係る経費負担の軽減を図るため、町単独での上乗せ助成と維持管理費用の一部を助成する制度を継続し、より良好な生活環境の整備を推進します。

 

 第7に、「交通安全、消防防災全般」にかかる施策についてであります。
(交通安全)
 はじめに、交通安全についてですが、地区防犯交通安全協会や警察等の関係機関との連携を図り、交通事故防止及び飲酒運転の撲滅に向けた取組を推進します。また、第10次交通安全計画の策定に取り組むとともに、交通指導員による交通安全教室や街頭指導、交通安全パトロールなどの活動を通じて交通安全意識の高揚に努めてまいります。

 

(消防関係)
 次に、消防関係についてですが、町消防団第2分団第1部屯所の新築、常備消防による防火水槽の整備を進めるとともに、火災予防の意識を周知徹底するため、消防団による火災予防広報や住宅防火対策指導を実施してまいります。
 また、消防団員の知識や技術の向上、士気高揚を目的として、消防操法競技会、消防演習、水防訓練等の教育訓練を実施してまいります。

 

(防災対策)
 防災対策については、総合防災訓練の継続実施、常備消防や消防団との連携、自主防災組織の活動支援、町地域防災計画の見直しを通じ、災害対応力の強化を図り「安全に安心して暮らせるまち」づくりを推進してまいります。
 
 第8に、「教育全般」に係る施策についてであります。
(教育行政)
 教育行政は、雫石町の将来を支える人材の育成という観点から極めて重要であることから、教育環境の整備について、教育委員会との連携をさらに密にして、取り組んでいかなければならないと考えております。
 また、「総合教育会議」においては、制度の趣旨を踏まえ、教育行政の大綱や重点的に講ずべき施策などについて、国の方向性や社会情勢を的確に捉え、協議、調整し、一致して執行に当たってまいります。

 

(学校教育)
 次に、学校教育についてですが、子どもたちの健やかな心を育み、一人ひとりの優れた可能性を伸ばす教育を推進するため、学校、家庭、地域が密接に連携した、よりよい教育環境の整備に取り組んでいかなければなりません。
 小学校においては、集団の中で切磋琢磨することで社会性を高めるという学校教育の特質に照らし、少子化現象に対応した活力ある学校づくりを早急に進めるため、統合準備委員会を適時設置しながら、平成29年4月、30年4月の統合を目指し、跡地利用も含め具体的な協議を進めてまいります。
 雫石中学校においては、国のスーパーエコスクール実証事業を活用し、地場産材を活用した木質化とエコによる大規模改修と武道場の整備に取り組み、又読書力の向上を目指し、学校図書館を中心とした学習環境の改善を進めてまいります。
 また、雫石町の教育に関する専門的、技術的事項の調査研究、教育相談、研修機能の一層の充実を図るため、「雫石町教育研究所」を教育委員会に設置し、児童生徒の確かな学力の向上に努めてまいります。
 高等教育の振興についてですが、県教委による高校再編計画において雫石高等学校は現状維持とされております。町内唯一の高等学校である雫石高等学校がこれまで以上に活気あふれる校風を醸成できるよう、郷土芸能委員会活動などの魅力ある学校づくりを支援しながら、生徒の確保に向けた中高連携の取り組みを進めてまいります。

 

(社会教育)
 次に、社会教育についてですが、平成28年度は「戸沢氏」にゆかりのある5市町が一堂に会し、本町を会場地として第4回の戸沢サミットを開催します。本町が発祥とされる「戸沢氏」について、その歴史を広く町民に情報発信するとともに、関係市町間の友好を深める取組を推進してまいります。さらには、富士市において開催されている「ふるさと芸能祭」に本町の無形文化財保存団体が初めて出演することになっており、友好都市間における民間レベルの交流も拡大してまいります。
 生涯スポーツにつきましては、スポーツに親しみながら健康増進と体力向上が図れるよう、スポーツ推進委員や体育協会等と連携しながら、年代や体力に応じたスポーツ教室を開催するとともに、鴬宿グラウンドの駐車場整備など、体育施設の環境整備を進め、健康増進に向けた町民の主体的な取組を支援してまいります。

 

5 むすび

 以上、平成28年度の町政運営に対する基本的な考え方と主要な施策について、その概要をご説明申し上げました。
 平成28年度は、新生「雫石町」60年を礎に、これからの将来に向かって歩み出す「第2次雫石町総合計画後期基本計画」のスタートの年であります。
 また、人口減少対策も本町における重要課題として捉え、総合計画と地方創生総合戦略に、私の提案した三つの新構想を含め、これまで以上に総動員して、各施策を強力に実行してまいります。
 私は、町政を担わせていただき2期2年目の折り返しを迎えますが、初心を忘れることなく、町民の皆様と、これから生まれてくる子どもたちが、いつまでもこの雫石町で、笑顔でいきいきと暮らせるよう、全力を尽くして町政運営にあたってまいります。
 最後に、議員各位並びに町民の皆様におかれましては、なお一層のご支援、ご協力を賜りますよう、お願い申し上げ、以上をもちまして、平成28年度に臨む私の施政方針とさせていただきます。

 

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