株式会社 木ごごち

雫石町の企業紹介

株式会社 木ごごち 代表取締役 佐藤 慎倫

ホットな思いを伝えたい。YouTubeで薪ストーブの動画だけを流すチャンネルがあるのはご存じだろうか。ある種の癒し効果があるのか、今そんなものが流行るご時世である。実際、薪ストーブの傍にいって炎を見ていると、人の体だけでなく心まで癒しながら温めてくれる。そんな薪ストーブを実際に見て触って買えるところが雫石にはある。木ごこちだ。そこの経営者の佐々木社長に薪ストーブについて熱く語ってもらいました。

何故薪ストーブなのか

薪ストーブの良さを知ったら虜になりましたね(笑)

 「小学生のときは建築会社の社長になることが夢でした。そして建築業界で働いているときに自宅のリフォーム時に薪ストーブを設置しました。それ以来、私は薪ストーブの虜になって、商売までするようになりました。」

 木ごごちで販売しているストーブは職人が誇りをもって作っているものばかり。お客様には提案から設置まで自信を持って行うので商品にこだわるのは当然だ。インタビューを行ったのはグリーンスタジオ木ごごち(以下木ごごち)のショールーム。アメリカンテイストな空間が広がる。そして佐藤社長からはどこか職人気質の雰囲気が見え隠れする。

 そもそもなぜ薪ストーブは高価なのか。そんな質問を社長にしてみると。「ストーブは鉄の鋳物で出来ていますが、実は鉄にはいろんな種類があります。」鉄にもグレードがあるのだ。「溶かした屑鉄は使わない。いい材料を使うから少々高価にはなります。でもそこがメーカーのこだわりだと思うし、職人のプライドだと思います。私はお客様にそれを伝えることにしています。」

 「ドイツにはメーカーが5社ありますが、自社で鋳造まで行う工場は1社だけです。今はそのメーカーの製品をメインに販売させて頂いています。」

 製造方法について熱く語られた後にそのメーカー名を知ると、そのストーブがまるで主人を慕ってやまない忠実な愛犬のように見えてくる。ずっと寄り添う感じ。そして強い。まぎれもなくドイツ・バイエルンの技術と誇りが惜しみなく注がれたストーブだ。

自信・信頼・信念

 「私は自信がなければお客様に商品の良さが伝わらないと思っています。絶対に。あれもいい、これもいいですよ、と言ってしまうと負け。いいものを正直に伝えることにしています。」

 起業当初、事業を手伝ってくれるパートナーは無く、最初は知り合いに売ることから始めた佐藤社長。そして紹介を頂きながら少しづつ販売を続けた。その当時から心がけていたことがある。「もともと建築業界には精通していたので、販売と同時に関係業者との付き合いもちゃんとすることを心掛けました。」人を信頼する。そこにプライドを持ってやっていきたい。佐藤社長の考えの原点だ。

 事業の拡大を考えていたころ、あるお客様から言われた言葉をいつも思い出すようにしているという。「7~8年前に、忙しくしている私を見てお客様が私に言った言葉は忘れません。“忙しい”という言葉は“心を亡くす”と書く。もっと自分の足元をみなさい。」

 佐藤社長の言葉から強い信念を感じるのはこれだけではない。薪ストーブのメーカーはディーラーを各県に1社ずつ持つことが多いが、青森、秋田、岩手、北東北3県を自分がやりたいと佐藤社長は強くお願いをしたそうだ。そして任されることになる。「もちろん販売台数のノルマはあります(笑)。でも商品に自信を持っているので出来ると信じています。」やりたいという思いだけではない経営者としての一面が見える。商品に絶対の信頼をもっているからできるのだ。

 「自宅に薪ストーブを持つという夢を叶えたお客様だからこそ、設置後のアフターケアも行っています。薪燃料の供給、煙突掃除など、ストーブ本体のメンテナンスも手掛ける。お客様とお会いしながらのお付き合いを大切にしています。」 木ごごちでは恒例となっている設置後の火入式。佐藤社長は必ず出席するという。「お客様にとっては一番大事な瞬間です。夏でもやりますよ、そして請求書を渡す(笑)。」

パートナー

本当は4人欲しいです

 「仕事にはこだわっています。私は形や見え方、話し方、全てにおいて妥協しません。」薪ストーブの虜になって販売を始めた佐藤社長。しかし思いが強い故にいろいろと苦労があるようだ。

 「重いものを扱うことに対応できず辞めてしまう人がいる。現在従業員を募集中です。」 ストーブはほとんど壊れないので無くなることがない。そして新規購入やメンテナンスなど仕事は増えるばかり。お客様に待ってもらうこともしばしば。「これから商売が拡大していくので一緒に働いてくれる人が欲しいです。」

 木ごごちでは今社員を募集している。アルバイトではない理由は、社員でなければ自信をもってお客様と接することができないと佐藤社長が思っているから。「お客様にとっては大切なものとなる薪ストーブ。付き合いは長くなる。それが社員でなければならない理由です。」

 「私はお客様のことを第一に考えています。必ず現場に入るかお客様のところに挨拶に伺います。すべて自分でやっているのですが、自分の意思を継いだ社員と一緒にやりたいです。」 しかし、出会いを待つことしかできないという佐藤社長。パートナーを育てることが出来ない自分を責める一面も見せる。

 欲しい人材は、人と接することが出来る営業マン。誇り高い前向きな職人。自分の仕事に誇りをもてるような現場の作業者、だそうだ。

お客様に寄り添う

消防者のサイレンが聞こえると、お客様のことを気にして心配になります

 「現在のショールームは国道46号線沿いにあって、数年前に滝沢市から移ってきました。自宅兼ショールームだったころ、ストーブの販売数も増えてきて場所が手狭になってきたころです。山と湖が見える場所、ということでこの場所を紹介されて決めました。」たしかにショールームの後ろに岩手山、46号線の向こうに御所湖が見えてアクセスも良い場所だ。

 震災のとき、ストーブが倒れたり煙突が取れたりといった事が心配になった。お客様との連絡が取れない状況だったが2週間後には出来る限りの物資と共に被災地に出向き、修繕活動を行った。

 木ごごちでは、お客様のところまで薪を届けるサービスを行っている。専用のラックを置かせてもらい、そこに薪を補充する。お客様は好きなだけ薪を使えるし、手がかからないのでとても便利なサービス。お客様のことを考えていることがここにも見える。

認知度アップ!

 「エコの観点からも薪ストーブの価値が徐々に認められています。新居の予算を検討する際、最初に削除されていた薪ストーブ。今は薪ストーブがメインで住宅を注文される人が増えています。」実は温水を薪ストーブで作る給湯システムの開発も進んでいる。住宅販売会社も薪ストーブのある住まいを見直すことになりそうだ。

 佐藤社長は自ら市町村に出向き、営業の実績を携えて薪ストーブの普及をお願いしている。お膝もとの雫石町にはクリーンエネルギー設備導入補助金という制度があるのでその紹介も行っている。行政と購入者をつなぐようなコミュニケーションも欠かさない。また農家の冬の仕事を作ることもやっている。「知り合いの農家さんにお願いして冬は薪の生産をお願いしています。」

 少しショールームの中を紹介しよう。入り口はアメリカンテイストな雰囲気。中に入るとアウトドアの雰囲気に変わり、カフェでは頼めば軽食が頂ける。その奥に沢山の薪ストーブ。冬は実際に火が付いていて暖かい。46号線沿いにあるので、来店しやすいしカフェも居心地がいい。きっと店長のショコラ(トイプードル)が迎えてくれる。

 愛車のChevroletフルサイズ ピックアップ トラック(恐らく盛岡辺りで1台しかない全長6mを超えるロングボディー!)で薪をお客様のところに運ぶこともあるという佐藤社長。こだわりや信念ということを守り続けている社長が経営する会社、木ごごち。もしあなたが薪ストーブ好きなら、一度佐藤社長に会って話してみるのがいいと思う。

企業情報

会社:株式会社 木ごごち
所在地:岩手県岩手郡雫石町板橋68-8

現在従業員を募集中。
連絡先:019-613-2511
ホームページ:http://www.green-s-kigokochi.com/

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